坂本葉奈津
芽吹ケ
診察室・先生が一人で次の患者を待っている
患者入ってくる
先生 今日はどうしましたか
患者 最近ね、頭痛くて。立ちくらみなんかも酷くて…
先生 あらら、とりあえず見ましょうか
患者 お願いします。これなんですけど
患者が帽子取ると頭には立派な蕾が育っている
先生 うわぁ。これはまた
患者 困ってまして
先生、写真をとる
患者 ちょっちょっ、何やってるんすか
先生 いや。立派だから、つい。ちょっと待っててください
「花」と呟きながら、そのままスマホを打つ
患者 ついってなんすか
先生 草W(SNS
に投稿) 患者 馬鹿にすんじゃないよ
先生 え…
患者 こっちは大変だっていうのに
先生、鼻で笑う
患者 今は鼻で笑った?
先生 笑ってないです
患者 そんなことより、これ治りますかね
先生 手術ですね
患者 手術ですか
先生 しゅ、手術です
患者 手術?
先生 しゅ、しゅじゅちゅ
患者 手術
先生 しゅ、しゅじゅt
・・・
先生、真顔になって
先生 やめましょう、しゅじゅちゅ
患者 やめるんですか!言えないからじゃ
先生 違います。辞めましょう。しゅっしゅ。辞めましょう
患者 いいですか。そうですか。
先生 一つ。薬を出しましょう
患者 薬ですか
先生 はい。と言っても物じゃありませんけど
患者 どう言うことですか
先生 いいですか。まず症状から説明すると、人はみんな必ず心に花があるんです
患者(指を指し)ここにですか
先生 そうです。これが、心に負担を掛け過ぎてしまうと心に栄養が無くなって、花自ら栄
養を求めて栄養が取れる場所を探し出すんです。それで、貴方の場合は遊歩した花の種は頭
にきてしまったというわけです
患者 人間の体ってすごいですね
先生 おそらくお花は光を探していたのか
患者 だから、太陽に一番近い頭
先生 かもしれません・・・
患者 それで、どうしたら治りますか
先生 簡単です。心でお花を育てられる環境をまた作ってあげる
患者 そんなことできるんですか
先生 もちろん、
患者に向き合って
患者 よかった
先生、急にすっごい笑顔
病人 ・・・? 白いすっごい歯を見せてくる
患者、見つめるが理解が出来ずにいる
患者 先生、あの、薬というのは・・・
崩さないスマイル
虚ろになった目を追いかけながら、先生は笑顔で自分の顔を指を指して
先生 薬
患者 うわっ!
患者、椅子から転げ落ちる
先生 大丈夫ですか
患者 急に何するのかともったら
先生 いやいや。結構大事なこと言ってるんですよ
患者 え、これが薬ですか!
先生 そうですよ。笑顔です
患者 笑顔?・・・笑顔のどこが薬なんですか
先生 だから、さっきも言いましたけど最近笑ってましたか?
患者 ・・・ああ、確かに。言われてみれば
二人の顔は笑顔になっていく
先生 おお!
患者 おお!
先生 (指を差しながら)ほらほらほら!
患者 わあ!
真顔に戻って
患者 わあ!じゃないわ
先生 ノリノリだったじゃないですか
患者 ちゃんと説明をしてください
笑い合う二人
患者の体がうづく
患者 あれ、おかしい。体が、なんか、
先生 も、もしかして!
患者 え、なんですか
先生 お花から何か感じませんんか
患者 言われてみれば、あ、あ、
先生 心じゃないのに、あ、
患者 咲いてしまう!あ!あ!
先生 あぁー!
ぱあと花が咲き誇るそして咲きこぼれる
先生 やっぱり、します!しゅじゅちゅ!!