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ヨハネスブルグの天使たち

宮内悠介 著

早川書房/2013年

  • 読み手:  長谷川大悟

     文章を書いている人ならば誰しも読んでもらいたい人がいるはずだと思う。自分はいつか母親に自分の文章を読ませたいと思っている。母曰く長い物語は眠くなるらしい。
     だったら短くすればいいのでは? そういう考えに至った。しかし短編は意外と難しい、伝えたい事を入れると文章が長くなってしまう。課題で書いている作品よりも文章の情報の取捨選択がシビアになっていくと感じた。
    そう言った作品の中で自分の好きな物、個性をどうやって出していくのか、も問題になってくる。自分の好きな物はSF、どうしても説明過多になってしまう。説明を省いたら物語自体、分からなくなってしまう。そこを上手く、やりくりするのが文字書きのやる事だと言われると、ぐうの音も出ない。
     今は勉強中という事でそういった所は甘く見てほしいと感じている。
     そこで出会ったのがこの作品だった。この作品は短編だけど長編、自分の中では初めての出会いだった。普段ライトノベルしか読んでおらずそれと比較するとハードノベルと言った所だ。文庫一冊なら頑張れば三時間程で読み終えられるがこの作品は一週間弱かかった。
     先ほど言ったがこの作品はハード、物語が堅いなと感じた。前知識無しでどれだけの人がヨハネスブルグのことを知っているだろうか……ほとんどいないだろう。事実自分もこれを書いている今、画像検索をかけたところだ。しかしこの作品にヨハネスブルグがどうのというのは、ほとんど関係無く、その場所がどこにあろうとも物語は進む。作品の本質は別でそれぞれの正義から起きる争い、テロなどを根幹に持ち、それにSFが共存していると言った作品であった。作品を読むにつれ自分の中の作品はSF でSFを書く事が多いと感じた。
     自分自身のSFをSFで分からせるのでは無く他の題材を持ってSFを理解させる、のだとこの作品から学べたと感じた。
    まず手始めに、この文章を読んでもらわなことには始まらない。 
    そういう感じで文章を終わらせたいと思う

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