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東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本

虫眼鏡

講談社/2018年

  • 読み手:  佐橋瑠夏

    Youtuberの推しが、本を出しました。
    小説でも、エッセイでもありません。初めて出会ったジャンルです。
    私が紹介する本は、六人組Youtuber「東海オンエア」のメンバーである虫眼鏡が書いた、概要欄の傑作選です。『概要欄本』と呼ばれています。
    はいはい有名人の本ねって笑った人、足の小指を角にぶつけることをオススメします。ただの推しの本だったらTwitterにでも書いています。わざわざここに書くぐらいには、私は虫眼鏡の書く文章が好きです。じゃあどこに魅力を感じたのか。
    まずは文章の読みやすさ。
    東海オンエアの視聴者は若者が多く、普段文章を読まない人もいます。その為虫眼鏡は難しい言葉を避け、誰にでも分かる言葉を選んで文章を書いています。短い文章なので、広告動画の合間などに概要欄を読むことが出来ます。
    次に、話の流れ。
    概要欄本に載っている回は起承転結があり、最後はふふっと笑える話が多いです。面白いだけではなく、知識を得ることが出来たり、メンバーについて知ることが出来たりもします。お得です。テンポも良くしっかりとしたオチがある事で、短い概要欄なのに読みごたえがあります。
    最後に、概要欄のテーマについて。
    話のテーマは基本的に動画に関係あるものが選ばれています。
    例えば、『【なんだこれ】意味わからんものの使い方見ただけで予想大会‼』という動画の概要欄では、需要と供給のバランスから始まり、服は需要が少ないほど貴重という話に。
    それを容姿に置き換えると、イケメンとチビではチビの方が需要が少ない(モテない)。つまり貴重、だからチビを大切にしてね。というオチです。
    意味不明な物は買う人が少ない、という動画の冒頭と関連付けられた内容でした。
    虫眼鏡はチビ担当なので自虐に近い言い方ですが、ただ「チビの何が悪い!」という話ではなく、「チビは貴重やん?」という話の持っていき方はとても面白いと思いました。
    他にも、大あさりの動画ではラッコの話をしたり、こんにゃくの動画では栄養の無い食べ物の話をしたり。このように虫眼鏡の概要欄では、近いけどどこか少しだけ捻ったテーマの話を読むことが出来ます。
    面白い話を書く事は難しく、それを読む人が多ければ多いほどさらに難易度は上がります。しかしそれを凌駕する虫眼鏡の発想力を、私はとても尊敬しています。この本は、虫眼鏡のことを知らない人にも発想の参考になるのではないでしょうか。Youtuberだから、と馬鹿にしないで一度読んでみてください。
    私は、虫眼鏡のような文書が書けるようになりたいです。

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